検査遺伝子
ITGA10(Integrin Alpha 10)はインテグリン(Integrin)ファミリーのアルファ鎖の一つで、主に軟骨組織内でII型コラーゲンとの結合を媒介し、軟骨細胞の増殖および分化に重要な役割を果たします。ITGA10にミスセンス変異またはナンセンス変異が生じると、インテグリンα10タンパク質が正常に発現しない、あるいは機能を失い、軟骨形成が阻害されます。
遺伝病の説明
ITGA10遺伝子変異による軟骨異栄養症は、軟骨および骨格系の先天的発達障害を特徴とし、主に手足が短く小柄な体型(軟骨異形成、chondrodysplasia)が見られます。Integrin α10タンパク質の機能喪失により、軟骨細胞(chondrocyte)と細胞外マトリックス(ECM)との相互作用が適切に行われず、成長板(physes)内での軟骨形成および骨化(ossification)が異常に進行します。その結果、子犬の時期から四肢の奇形的な発達、運動能力の制限、関節疾患などが観察されることがあります。