検査遺伝子
GUSB(Beta-glucuronidase) 遺伝子によって発現するβ-グルクロニダーゼ(ベータ-グルクロニダーゼ)酵素は、タンパク質と多糖の複合体であるムコ多糖の特定の部分を分解します。もともとムコ多糖は、生体内で結合組織を維持するのに重要な役割を果たしていますが、過剰に蓄積されないように、この酵素が分解を調整し、バランスを保つ働きをしています。本検査は、ムコ多糖症VII型に関連する2つの遺伝子変異を対象としています。
遺伝病の説明
ムコ多糖症は、細胞内にムコ多糖が異常に蓄積されることで発症するリソソーム蓄積疾患の一種です。ヒトのムコ多糖症はI型からXI型まで分類されていますが、イヌでは主にVII型が報告されています。この疾患は、ムコ多糖を分解するために必要な酵素の欠乏によって主に引き起こされ、肝臓、皮膚、筋肉、骨髄、白血球を含む多くの体細胞内においてムコ多糖の異常な蓄積を誘導します。代表的な症状としては骨格の異常が多く観察されます。障害の重症度や進行によっては、人道的観点から安楽死が推奨されることもあります。