検査遺伝子
SIX6(Six Homeobox 6)は、眼球や下垂体など複数の器官の発生過程において重要な役割を果たすホメオボックス転写因子です。正常な眼の発達には、特定の時期にSIX6が眼組織の増殖と分化を誘導する必要がありますが、変異が発生するとこの発達過程に障害が生じ、小眼球症(microphthalmia)、無眼症(anophthalmia)、眼裂(coloboma)などの構造的異常が現れることがあります。
遺伝病の説明
犬の先天性眼奇形は、眼球の発生初期から構造的異常が生じる先天性疾患です。SIX6は眼球(特に網膜や水晶体など)の形成に不可欠な転写因子であり、変異が起こると眼の大きさや形態が異常に発達し(例:小眼球、欠損、角膜・水晶体の奇形など)、重篤な視覚障害を引き起こす可能性があります。一部の個体では出生直後から視力喪失が観察されることがあり、疾患の重症度に応じて部分的な視力低下からほぼ完全な失明に至ることもあります。