検査遺伝子
KRT10はケラチン10(Keratin 10)タンパク質をコードする遺伝子であり、表皮の上層(有棘層および顆粒層)に主に発現します。ケラチンは細胞骨格構造の維持や外部刺激から皮膚を保護するうえで重要な役割を果たします。この遺伝子に変異が生じると、角化細胞間の結合力が低下し、表皮が正常に成熟できず、過角化および水疱形成が生じます。
遺伝病の説明
表皮融解性過角化症は、KRT10遺伝子の変異により皮膚の角質形成に関わるケラチン構造が不安定になることで発症する希少疾患です。皮膚が過剰に角化し、うろこ状の厚い角質斑が形成され、容易にひび割れたり水疱が生じたりします。これにより、痛み、かゆみ、二次感染などが伴うことがあり、重症の場合は歩行や日常生活に支障をきたすこともあります。