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原発性閉塞隅角緑内障

検査遺伝子

OLFML3(Olfactomedin-like 3)遺伝子は、眼内の房水の排出に重要な役割を果たす組織(線維柱帯、前房隅角など)および眼球構造の形成に関与していると推定されています。ヒトやマウスなどの様々な種で眼圧調節に関連する遺伝子として研究が進められており、犬においても特定の変異が原発性閉塞隅角緑内障の発症リスクを高めることが知られています。
この遺伝子は、眼内組織における細胞間相互作用や細胞外マトリックス(ECM)の調節に関与しており、前房隅角の形態や機能に影響を及ぼすとされています。変異が存在する場合、房水の排出経路が狭くなったり閉塞されたりする機序が促進される可能性があります。

遺伝病の説明

OLFML3遺伝子変異によって発症する犬の原発性閉塞隅角緑内障は、眼内の房水排出経路である前房隅角が閉塞または狭窄されることにより眼圧が異常に上昇する疾患です。眼圧の上昇が持続すると視神経が障害され、最終的には失明に至る可能性があります。
緑内障の初期段階ではほとんど症状が現れないか、軽度の充血のみが見られることもありますが、進行するにつれて視力低下、痛み、角膜混濁など多様な臨床症状が現れます。原発性閉塞隅角緑内障は、先天的または遺伝的な構造異常によって発症する場合が多く、OLFML3遺伝子の変異はこのような構造的異常(例:前房隅角の狭小化)を引き起こすことと関連があると報告されています。