検査遺伝子
VPS13B(Vacuolar Protein Sorting 13 Homolog B) 遺伝子は、細胞内で小胞を用いた輸送およびタンパク質の選別に重要な役割を果たす膜貫通型タンパク質を生成します。このタンパク質は、眼、血液、中枢神経系の発達と正常な機能に関与しています。本検査は、遺伝性好中球減少症に関連する1つの遺伝子変異を対象としています。
遺伝病の説明
遺伝性好中球減少症は、現在のところボーダー・コリーでのみ発見されている致命的な遺伝性疾患です。好中球は免疫系で最も多く存在する白血球で、細菌が体内に侵入した際に最初に反応し、破壊して防御する第一防衛線の役割を果たします。この疾患では、骨髄で正常に好中球が生成されますが、血液中へ移動できず閉じ込められてしまう(trapped)という特徴があります。そのため、「トラップト・ニュートロフィル症候群」とも呼ばれます。このように免疫力が著しく低いため、犬は慢性的に病気を抱えることになり、生後1年以内に安楽死が推奨されることも多くあります。