検査遺伝子
HEXB(ヘキソサミニダーゼβサブユニット)遺伝子によって発現されるタンパク質は、リソソーム内で働く酵素であり、ガングリオシドやヘキソサミンを含む分子の分解を触媒します。本検査は、GM2ガングリオシドーシスに関連する2つの遺伝子変異を対象としています。
遺伝病の説明
リソソーム蓄積症とは、リソソーム内に異常に物質が蓄積することによって発症する疾患群です。リソソームは、分解酵素を含む細胞内小器官であり、古くなった高分子物質(タンパク質、糖質、糖脂質など)や細胞小器官、ウイルス、細菌などの異物を分解する役割を担っています。リソソーム蓄積症には約50種類のタイプがあり、症状、重症度、遺伝的背景はそれぞれ異なります。
GM2ガングリオシドーシスは、GM2ガングリオシドという糖脂質を分解する酵素の欠損によって、この物質がリソソーム内に蓄積されることで起こる疾患です。神経細胞の損傷や死滅を引き起こし、神経変性疾患として早期に発症する致命的な病気です。その重篤な症状と進行の速さから、倫理的配慮のもとで安楽死が推奨される場合もあります。