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進行性網膜萎縮症

検査遺伝子

進行性網膜萎縮症(PRA)にはさまざまな遺伝子変異が関与しており、本検査では以下の遺伝子を含む最大12種類の変異を対象としています。
1.
CNGB1(Cyclic Nucleotide Gated Channel Subunit Beta 1):網膜の光受容体細胞でイオンチャネルを構成するタンパク質を生成し、光刺激に反応して電気信号を伝える役割を担います。
2.
PDE6A(Phosphodiesterase 6A):視覚信号伝達経路において必須の役割を果たし、光受容体細胞の正常な機能維持に重要です。
3.
TTC8(Tetratricopeptide Repeat Domain 8):細胞内のタンパク質輸送に関与しており、一部のPRA型と関連していることが知られています。
4.
SAG(S-Antigen, Arrestin):光刺激後に視覚信号の伝達を停止させるタンパク質を生成し、網膜の機能調節に関与します。
5.
RHO(Rhodopsin):杆体細胞で光を感知する主要なタンパク質を生成し、この遺伝子に変異があると夜盲症や視覚喪失を引き起こします。
6.
RPGR(Retinitis Pigmentosa GTPase Regulator):網膜内のタンパク質輸送に関与する遺伝子で、特にX染色体連鎖型PRAの主要原因として知られています。
7.
GUCY2D(Guanylate Cyclase 2D):光受容体細胞の回復過程において重要な役割を果たし、この遺伝子の異常は早期発症型のPRAと関連しています。
8.
CNGA1(Cyclic Nucleotide Gated Channel Alpha 1):CNGB1と共にイオンチャネルを構成し、視覚信号の伝達に不可欠な役割を担います。
9.
CCDC66(Coiled-Coil Domain Containing 66):網膜の発達および機能維持に関与する遺伝子であり、一部の犬種でPRA関連変異が確認されています。

遺伝病の説明

網膜は眼球の内側を覆う膜で、視覚に不可欠な光の吸収・感知・反射の機能を果たしています。進行性網膜萎縮症(PRA)は先天性の網膜疾患の一つで、光を感知する網膜細胞である杆体細胞(Rod cell)および錐体細胞(Cone cell)に異常が生じることによって発症します。進行性の病気であり、初期には気づきにくい視覚異常の兆候が現れ、時間とともに徐々に視力が低下し、最終的には完全に失明することもあります。